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量子ホール効果:分数チャーン絶縁体におけるバルク状態とエッジ状態の局所プローブ
Nature 635, 8039 doi: 10.1038/s41586-024-08092-7
分数量子ホール効果は、トポロジカル量子多体現象のカギとなる例であり、強い電子相関、トポロジカル秩序、時間反転対称性の破れの間の相互影響から生じる。最近、ゼロ磁場での分数量子ホール効果の格子類似体が観測され、ゼロ磁場での分数チャーン絶縁体(FCI)の存在が実証された。それにもかかわらず、バルク–エッジ対応という、絶縁性のバルクと導電性のエッジを特徴とするFCIの証拠は、直接には観測されていない。実際、この対応は、実験的な難しさから、分数状態のいかなる系でも可視化されたことがない。今回我々は、マイクロ波インピーダンス顕微鏡を用いた、ツイスト二テルル化モリブデン(t-MoTe2)におけるFCIエッジ状態のイメージングについて報告する。キャリア密度の調整によって、この系が金属状態とFCI状態の間で発展することが観測され、このFCI状態は、バルク–エッジ対応から予想されるように、絶縁性バルクと導電性エッジを示した。さらなる解析からは、FCIエッジ状態が複合的な性質を持つことが示唆された。また、エッジ状態が、トポロジカル相転移にわたり層間電場の関数として発展することが観測され、異なる分数秩序を持つ隣接領域に関する非常に興味深い見通しが明らかになった。これらの知見は、ゼロ磁場でのさまざまなエニオン状態間のトポロジカルに保護された一次元界面、例えば、非ゼロのトポロジカルなエンタングルメントエントロピーを伴う対称性保護されギャップの開いた一次元相、ハルペリン–ラフリン界面、非アーベル型エニオンの創成といった研究に道を開く。

