Article
生態学:土性が生態系の水制限に及ぼす全球的な影響
Nature 635, 8039 doi: 10.1038/s41586-024-08089-2
低い土壌水分と高い飽差(VPD)は植物に水ストレスを与え、蒸散や光合成の減少など、さまざまな乾燥応答につながる。土壌水分の臨界閾値を下回って土壌が乾燥すると、水ストレスを緩和するために気孔が閉じて、生態系はエネルギー制限から水制限へと移行する。しかし、そうした閾値の背後にある機構は、生態系規模ではいまだ十分に解明されていない。今回我々は、土壌水分の臨界閾値に関する観察データを全球的に分析することで、土性が、生態系の水制限の開始の調整において果たしている顕著な役割を、土壌の透水係数曲線(傾きが砂分の増大とともに急になる)によって示す。これにより、土性が、VPDと土壌水分に対する生態系の感受性をどのように形作っているかが明確になり、砂質土壌の生態系は土壌の乾燥に対する感受性が相対的に高い一方、粘土質土壌の生態系はVPDに対する感受性が相対的に高いことが分かった。同じ理由で、砂質土壌の植物は水制限に適応する能力が限定的であり、これは、気候変動がどのように陸域生態系に影響を及ぼすかに関わってくる。まとめると、植生と大気間の交換は、大気条件によって駆動され植物の適応によって媒介されているものの、それらの運命は究極的には土壌に依存していることになる。

