Article
生体医工学:生体関節モーメントの推定によるタスクを問わない外骨格制御
Nature 635, 8038 doi: 10.1038/s41586-024-08157-7
下肢外骨格は移動方法を一変させる可能性を有するが、現在の最先端のコントローラーでは、周期的で予測可能なものから一過性で構造化されないものまで、起こり得るさまざまな人間の挙動に対応できない。今回我々は、ディープニューラルネットワークによる下肢の生体関節モーメントの瞬間的推定に基づいてユーザーを支援する、タスクを問わない(task-agnostic)コントローラーを提示する。我々の手法は、ループの中で股関節モーメントと膝関節モーメントを推定することによって、自律的な衣服一体型外骨格を通して複数関節の協調的支援をもたらした。このネットワークは、周期的な移動運動から非構造化タスク(例えば、受動蛇行や高速横移動)までの28種類の動作における展開で、真値に対して0.83の平均R2で、股関節モーメントと膝関節モーメントを正確に推定した。さらに、我々の手法は、スプラインとインピーダンスパラメーターから構築された最良のタスク分類子に基づく方法よりも、有意に性能が優れていた。水平歩行、ランニング、25 lb(約11 kg)のウエイトの持ち上げ、ランジを含む10種類の動作についてテストを行ったところ、今回のコントローラーは、ゼロトルク条件と比べてユーザーのエネルギー(代謝コストやタスクに依存した下肢生体関節の仕事)を、動作間でコントローラーの手動修正を行わずに、5.3~19.7%有意に低減させた。従って、このタスクを問わないコントローラーは、広範な人間活動にわたって外骨格によるユーザー補助を可能にし得るものであり、これは現実世界での実現可能性に不可欠である。

