Perspective
物性物理学:量子絶縁体における電荷中性の電子励起
Nature 635, 8038 doi: 10.1038/s41586-024-08091-8
量子物質の実験によって、超伝導から、最近観測された分数量子異常ホール絶縁体を含むさまざまなトポロジカル量子物質まで、多くの興味深い量子相が明らかになっている。これらの発見は、そうした系に固有の豊富な励起の数々を探る手法の開発と並行して得られたものである。電荷を持った励起の観測とは対照的に、凝縮系物質における電荷中性の電子励起は、さまざまな強相関相の理解に不可欠であるものの、検出するのは依然として困難である。低エネルギーでの中性励起は、電子の分数化を特徴とする非従来型の相、例えば量子スピン液体、スピンアイス、中性フェルミ面を持つ絶縁体などの特性評価を行う際に特に重要となる。本論文で我々は、非従来型絶縁体における中性のフェルミオン励起、ボソン励起、またはエニオン励起の探索について議論し、励起子絶縁体、量子スピン液体の新たな候補、そして二次元層状結晶やモアレ物質を基にした創発的な相関絶縁体の理論的進展と実験的進展を浮き彫りにする。我々はまた、量子絶縁体の探査や使用における見込みと課題について概説し、次世代の量子物質、デバイス、実験スキームに根差したアイデアによってもたらされる、今後の進展に向けた非常に興味深い新たな機会について議論する。

