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がん免疫療法:精密がん免疫療法のためのプロバイオティックなネオアンチゲン送達ベクター
Nature 635, 8038 doi: 10.1038/s41586-024-08033-4
in vivoで治療用ペイロードを展開することを目的として、微生物システムの人工的な改変が行われてきた。細菌が自然に腫瘍にホーミングして抗腫瘍免疫を調節することを示す証拠が得られており、有望な応用の1つに、精密がんワクチンとしての細菌ベクター開発がある。本研究で我々は、抗腫瘍ワクチン化プラットフォームとしてプロバイオティック大腸菌(Escherichia coli)Nissle 1917株を操作して、ネオエピトープを含むペプチドアレイの産生増強や細胞質ゾルへの送達に最適化し、血中のクリアランスやファゴサイトーシスに対する感受性を増加させた。これらの特徴は安全性と免疫原性の両方を高め、強力で特異的なT細胞を介する抗がん免疫を誘導するシステムを樹立し、マウスでの進行性の原発性および転移性固形腫瘍において腫瘍の増殖を効果的に制御あるいは抑制し、生存を延長する。誘導された抗腫瘍免疫応答では、樹状細胞の誘導と活性化、ネオアンチゲン特異的なCD4+とCD8+ T細胞の大規模なプライミングや活性化、T細胞およびナチュラルキラー細胞のより広範な活性化、そして腫瘍浸潤性免疫抑制性骨髄系細胞や制御性T細胞およびB細胞集団の減少が起こることが明らかになった。このように、本研究は生きた医薬品の長所を利用して、最適な状況で腫瘍特異的ネオアンチゲン由来のエピトープアレイを送達し、特異的で効果的かつ持続的な抗腫瘍免疫を全身で誘導する。

