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微生物学:プラスミドのリーディング領域は多様な抗防御系をコードしている

Nature 635, 8037 doi: 10.1038/s41586-024-07994-w

プラスミドは遺伝子の水平伝播という手段による遺伝子可動化の主要な駆動要因であり、病原体間での抗微生物抵抗性の拡散に重要な役割を担っている。細菌にはCRISPR–Cas系や制限修飾系、SOS応答遺伝子群など、可動性遺伝因子の侵入を防ぐさまざまな防御機構があるにもかかわらず、プラスミドは接合によって細菌集団内をロバストに移動する。今回我々は、プラスミドで最初に受容細胞に入るリーディング領域が、抗防御系の大規模なレパートリーのホットスポットであり、抗CRISPRタンパク質、抗制限タンパク質、抗SOSタンパク質など、防御対抗タンパク質をコードしていることを示す。さらに、リーディング領域には、一本鎖DNAからの発現を可能にすることが知られているプロモーターが豊富に存在しており、これらがプラスミド定着の初期段階で細菌免疫に対する速やかな防御を促す可能性が明らかになった。我々は、実験により、効率的な接合を行う上で抗防御遺伝子がリーディング領域に局在していることの重要性を実証した。これらの結果は、プラスミドのリーディング領域に着目すれば、多様な抗防御遺伝子の発見につながる可能性があることを示している。まとめると以上の知見は、プラスミド伝播の新たな側面を示すとともに、天然の微生物群集に対する効率的な接合送達システムを開発するための理論的基礎となるものである。

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