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免疫学:ガスダーミンDが仲介する代謝クロストークは組織修復を促進する

Nature 634, 8036 doi: 10.1038/s41586-024-08022-7

組織再生には、再生を促進するニッチを早期に確立することが極めて重要である。ガスダーミンD(GSDMD)依存性ピロトーシスは、さまざまな傷害に際して炎症性サイトカイン放出の原因となる。しかし、組織再生とそれに続く恒常性維持におけるその役割についてはほとんど分かっていない。今回我々は、マクロファージでのGSDMD欠損は、組織の回復を遅らせるが、局所的な炎症環境あるいは溶解性ピロトーシスの過程にはほとんど影響しないことを示す。過剰活性化マクロファージの代謝物セクレトームのプロファイリングにより、GSDMDの非カノニカルな代謝物分泌機能が明らかになった。我々はさらに、過剰活性化マクロファージからGSDMD依存的に分泌される、生理活性を持つ治癒促進オキシリピンとして、11,12-エポキシエイコサトリエン酸(11,12-EET)を特定した。11,12-EETの直接添加、あるいは11,12-EET加水分解酵素をコードするEphx2の欠失により11,12-EETを蓄積させると、筋再生が加速された。また我々は、老化した筋肉内においてEPHX2が蓄積したり、11,12-EETを継続投与したりすることで、老化した筋肉が若返ることを実証した。機構的には、11,12-EETは繊維芽細胞増殖因子の液–液相分離を調整することで繊維芽細胞増殖因子シグナル伝達を増幅し、これによって筋幹細胞の活性化と増殖が促進される。これらのデータは、マクロファージと筋幹細胞の間のGSDMDによって誘導される代謝物クロストークが修復過程を調整していることを示しており、これは、損傷した組織や老化した組織の再生に対する治療的意義に関する洞察をもたらす。

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