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分子生物学:減数分裂染色体の対形成の際に起こる相同体の迅速な並置
Nature 634, 8036 doi: 10.1038/s41586-024-07999-5
減数分裂の中心的な特徴は、相同な母性染色体と父性染色体(「相同体」)が、長さがそろう方向に並んで対を作ることである。相同体同士の識別と空間での並置に関与するのが、軸に結合した組換え複合体である。また、この対形成は、関係のない染色体間でのもつれが生じることなく起こらなくてはならない。今回我々は、標識した染色体座位の四次元蛍光画像化法により、出芽酵母で相同染色体の並置の様子をリアルタイムで、高い時空間分解能により解析した。その結果、対応する座位はかなり離れた位置(1.8 μm)にあり、そこから互いに近付いて、対形成は約6分という非常に短い時間で完了し、RHJ(rapid homologue juxtaposition:相同体の速やかな並置)状態となることが明らかになった。相同体の座位は、まず双方共に迅速に(30秒以内に、速度約60 nm s−1で)動いて、2本が400 nm間隔で整列するカノニカルな中間段階に移行する。短時間の停止の後、交差/非交差分離(交差干渉)が関与して2度目の短い迅速な移行が起こって、最終的にシナプトネマ複合体構造形成により軸が100 nmの位置で対形成する。さらに、RHJは(1)染色体が前期染色体構造を獲得後に起こり、(2)染色体長の3分の1以上でほぼ同期して起こるが、(3)ゲノム全体では同期しない。そして、細胞骨格を介した動きは、RHJ開始のタイミングと距離にとっても、またRHJが確実に正常に進行するためにも重要である。加えて、染色体対形成の局所的、全体的状況に及ぼす一般的影響についても論じる。

