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分子生物学:2要素認証がpiRNA経路の精度を支える

Nature 634, 8035 doi: 10.1038/s41586-024-07963-3

piRNA(PIWI-interacting RNA)経路は、雄マウスの生殖系列発生の間に新しくて活性の高いトランスポゾンのDNAメチル化を誘導する。piRNAは、トランスポゾンの新生転写産物にPIWIタンパク質MIWI2(PIWIL4)を連結し、その結果、SPOCD1を介してDNAメチル化が起こる。トランスポゾンのメチル化には、非常に高い精度が求められる。すなわち、全てのコピーがメチル化されなければならないが、標的以外のメチル化は避けなければならない。しかし、このような精度を保証する基盤となる仕組みは、まだ解明されていない。今回我々は、主としてH3K4me3-K9me3に結合するクロマチン読み取り因子SPIN1(SPINDLIN1)に、SPOCD1が直接結合することを明らかにする。これまで、piRNAの誘導するDNAメチル化に必要な分子事象は全て、MIWI2の結合後に起こるという推測が広く受け入れられていた。しかし、SPIN1の発現は、SPOCD1とMIWI2よりも前に起こることが分かった。さらに、古いLINE1コピーは除いて、新しいLINE1コピーは、piRNAを介したDNAメチル化が始まる前にH3K4me3、H3K9me3、SPIN1によって標識されることが明らかになった。そこで、SPIN1とはもう結合できないSPOCD1変異体をコードするSpocd1機能分離対立遺伝子を持つマウスを作製した。その結果、SPOCD1とSPIN1の間の相互作用は、精子形成と新しいLINE1エレメントのpiRNAの誘導によるDNAメチル化に不可欠であることが分かった。これらから、piRNAが誘導する新しいLINE1エレメントのDNAメチル化には、発生のタイミングに合わせた2要素認証過程が必要であると考えられる。最初の認証は、新しいLINE1プロモーターへのSPIN1–SPOCD1の誘導であり、第二の認証は新生転写産物へのMIWI2の結合である。要するに、独立した2つの認証イベントが、piRNAを介したLINE1 DNAメチル化の精度を支えているのである。

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