超伝導:加圧された正方晶系La2PrNi2O7におけるバルク高温超伝導
Nature 634, 8034 doi: 10.1038/s41586-024-07996-8
ルドルスデン–ポッパー(R–P)型の2層ニッケル酸塩であるLa3Ni2O7は最近、14 GPaを上回る圧力で高温超伝導(HTSC)の特徴を示すことが見いだされた。その後の調査により、静水圧条件の下、単結晶試料および多結晶試料でゼロ抵抗が実現されている。しかし、超伝導体のもう1つの特徴である自明な反磁性シグナルは、超伝導体積分率が低いというフィラメント状の性質のために、まだ得られていない。新しい1313多形および競合するR–P相の存在によって、HTSCに関する相の適切な同定が不明瞭になっていた。従って、バルクHTSCを実現することと、作用しているHTSC相を同定することが最も重要な課題である。今回我々は、プラセオジム(Pr)をドープしたLa2PrNi2O7多結晶試料において、これらの問題に取り組んだ。その結果、LaをPrに置換することで、異なるR–P相の相互成長が効果的に阻害され、ほぼ純粋な2層構造が得られることが見いだされた。La2PrNi2O7の場合、圧力によって誘起される直方晶系(斜方晶系)から正方晶系への構造転移が、Pc ≈ 11 GPaで起こり、これを上回る圧力ではさらなる圧縮でHTSCが徐々に発現する。18~20 GPaでの超伝導転移温度はTconset = 82.5 KとTczero = 60 Kに達し、これらは、既知のニッケル酸塩超伝導体の中で我々の知る限り最高値である。重要なことに、バルクHTSCは、約75 K以下で明瞭な反磁性シグナルが検出されたことにより実証され、15 GPaを上回る圧力では超伝導遮蔽体積分率が大きかった。今回の結果は、既存の論争を解決するだけでなく、2層ニッケル酸塩においてバルクHTSCを探る方向性も提供している。

