量子計測学:光ピンセット時計用のユニバーサル量子操作とアンシラを用いた読み出し
Nature 634, 8033 doi: 10.1038/s41586-024-08005-8
エンタングルメントを利用して測定の精度を向上させることは、量子計測学におけるかねてからの目標である。しかし、雑音存在下で量子論から許される最高感度を達成することは、とりわけ大きな難題であり、最適なプローブ状態の生成と読み出し戦略が必要である。中性原子光時計は、時間測定の代表的な系であり、エンタングルメント生成に関して最近進歩が見られるが、現状ではそのようなスキームを実現する制御能力を持たない。今回我々は、中性原子の超狭光学遷移について、ユニバーサル量子操作とアンシラによる読み出しを行った。光ピンセット時計のプラットフォームでの今回の実証により、中性原子光時計による量子計測への回路ベースの手法が可能になる。我々はこの目的に向けて、光時計キュービットのリュードベリ相互作用と動的接続を通して、対称な入力状態全体の平均として99.62(3)%の忠実度で2キュービットのエンタングルゲートを実証し、これを局所アドレス指定と組み合わせて、汎用的にプログラム可能な量子回路を実装した。そしてこの手法を用いて、エンタングルしたほぼ最適なプローブ状態である、異なるサイズのグリーンバーガー–ホーン–ツァイリンガー(GHZ)状態のカスケードを生成し、二重直交GHZ読み出しを行った。また、中性原子に対してアンシラを用いた量子論理分光法を実装することによって、光時計キュービットの非破壊条件付きリセットと繰り返し間の不感時間の最小化による、繰り返し高速位相検出を行った。さらに我々は、これを多キュービットのパリティーチェックや、測定に基づく伝令付きベル状態の準備にまで拡張した。今回の研究は、中性原子を用いたプロセッサーと時計の混成デバイスの基礎を据えるものであり、より一般的には、量子センサーと結び付いた量子プロセッサーの実用化の将来を指し示している。

