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気候変動:永久凍土は北極域の河岸侵食を減速させている
Nature 634, 8033 doi: 10.1038/s41586-024-07978-w
河川移動の速度は、北極域のインフラやコミュニティーの安定性に影響を及ぼすとともに、炭素、栄養素、堆積物の海洋への流量を調節している。しかしながら、温暖化する北極域で河川移動の速度がどのように変化するかを予測することは、永久凍土が河川移動の減速と加速のどちらに主として作用するかについて相反する観測結果が得られているため、これまで妨げられてきた。本論文で我々は、人工衛星画像のピクセルサイズよりも5~10倍小さい長さスケールで河岸の侵食を検出できる新しい計算手法を開発した。これは、河川の水温と流れが最も大きく変動する1カ月以下の時間スケールで侵食を定量化する能力を解き放つ革新的技術である。我々は、これらの高頻度の観測結果を用いて、全ての河川が経験する条件である、河岸を構成する堆積物を輸送するのに十分な流れを有するための力学的条件に対して、永久凍土の融解時に消失する必要条件である、河岸の堆積物を固めている間隙氷を融解させる温度条件によって侵食が制限されている程度を絞り込んた。米国アラスカ州のコユカック川で得られた高分解能データの解析からは、永久凍土の存在が侵食速度を47%低減させることが示された。我々はこの観測結果を用いて、広範な北極域の河川に適用可能な数値モデルを較正し検証した。このモデルによれば、永久凍土が完全に融解すると北極域の河川移動の速度が30~100%増加する可能性があると予測される。

