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神経科学:ゼブラフィッシュの終脳における空間表現の集団符号
Nature 634, 8033 doi: 10.1038/s41586-024-07867-2
真骨魚類の空間学習には無傷の終脳が必要であり、この脳領域には哺乳類の辺縁系要素(海馬など)と相同と推定される要素が含まれている。しかし、哺乳類の空間認知の基本となる細胞(例えば場所細胞〔PC〕)は、いずれの魚類種でもまだ確定されていない。本研究で我々は、追跡顕微鏡を用いて、自由遊泳中のゼブラフィッシュ幼体から脳全域のカルシウム動態を記録し、全脳的に各ニューロンの持つ空間情報の内容を計算した。驚くべきことに、記録した全ての個体において、高度な空間特異性を持つ細胞がゼブラフィッシュ終脳に多数存在した。こうしたPCは、空間について集団符号化を行っており、この符号から動物個体の空間位置を長時間にわたって解読することができた。集団レベルの活動の継続的な記録によって、PCの活動多様性が、時間の経過とともに精緻化・整理されていくことが分かった。また、他者中心的および自己中心的な手掛かりの体系的な操作によって、ゼブラフィッシュのPCが複数の情報源を統合しており、別個の空間マップを柔軟に再形成できることが実証された。異なる環境にわたって隣接するPC間の距離の解析を行ったところ、終脳内にはあらかじめ緩く形成されたネットワークが存在することを示す証拠が得られた。今回のゼブラフィッシュのPCの発見により、動物種間の空間認知の性質と初期の脊椎動物での終脳の機能的役割についての理解が一歩前進した。

