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ウイルス遺伝学:養殖された毛皮動物は人獣共通感染症のスピルオーバーを引き起こす可能性のあるウイルスを保有している
Nature 634, 8032 doi: 10.1038/s41586-024-07901-3
タヌキ、ミンク、マスクラットのような動物は、毛皮のために養殖され、時に食用や医薬品として用いられるが、新興病原体の潜在的なリザーバーでもある。今回我々は、病死が確認された461匹の毛皮動物由来の内部組織について単一試料メタトランスクリプトーム塩基配列解読を行った。その結果、125種のウイルスが特定され、そのうち36種は新規であり、39種は、人獣共通感染症の種間伝播(スピルオーバー)など、種をまたいだ伝播のリスクが高い可能性のあるものであった。特に重要なのは、既知の宿主域を広げる7種のコロナウイルスが見つかったことで、新規のイヌ呼吸器コロナウイルスのタヌキへの異種間伝播と、コウモリのHKU5様コロナウイルスのミンクへの異種間伝播が起きていること、これらのウイルスは肺組織に多く存在することも報告する。A型インフルエンザウイルスのH1N2、H5N6およびH6N2という3つのサブタイプが、それぞれモルモット、ミンク、マスクラットの肺で検出された。日本脳炎ウイルスや哺乳類オルソレオウイルスなど、複数の既知の人獣共通感染症ウイルスがモルモットで検出された。タヌキとミンクは、潜在的に高リスクのウイルスを最も多く保有していた一方で、コロナウイルス科、パラミクソウイルス科、セドレオウイルス科のウイルスは一般に、複数の宿主に感染していた。これらのデータは、養殖動物と野生動物間およびヒトから養殖動物へのウイルス伝播の可能性も示しており、このことは、毛皮のための養殖はウイルス性人獣共通感染症の重要な伝播のハブとなることを示している。

