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生理学:交感神経のニューロペプチドYは熱産生脂肪を維持することで肥満を防ぐ
Nature 634, 8032 doi: 10.1038/s41586-024-07863-6
ヒトのニューロペプチドY(NPY)に生じた変異は、ボディーマス指数(BMI)の高さに関連するが食習慣の変化には関連しないことが報告されている。今回我々は、交感神経のNPYが肥満を防ぐ仕組みを明らかにした。透明化したマウスの褐色脂肪組織(BAT)と白色脂肪組織(WAT)の画像化によって、NPY+交感神経軸索は小さなサブセットで、ほとんどが脈管構造周囲に位置することが明確になった。単一細胞RNAシークエンシングデータセットの分析により、脂肪組織における主なNPY応答性細胞は壁細胞であることが分かった。さらに、BAT、WAT両方の発熱性脂肪細胞の供給源となる壁細胞の増殖を、NPYが維持していることが明らかになった。我々は、食餌が誘発する肥満によってNPY+軸索のニューロパチーが起こり、それに伴って壁細胞が枯渇することを見いだした。この欠陥は、交感神経ニューロンからNPYが除去されたマウスでも再現された。交感神経ニューロンにおけるNPYの欠損は、肩甲骨間のBATを白色化し、BATの熱産生能力を低下させ、肥満発症前のエネルギー消費量を減少させ、また通常の餌を与えられたマウスに成人型肥満を引き起こし、食物消費量を増やすことなく食餌誘導性肥満に対する感受性を高めた。これらの結果は、交感神経が産生する末梢NPYは、食物摂取とは無関係にエネルギー消費を維持することによって、体重に対して中枢神経系のNPYとは逆の作用を及ぼすことを示している。

