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電子デバイス:軸索様の信号能動伝達
Nature 633, 8031 doi: 10.1038/s41586-024-07921-z
金属導体中を伝播する全ての電気信号は、金属の自然抵抗に起因して振幅を損失する。こうした損失を相殺するには、現状では導体を繰り返し断絶させて、そこに、信号を消費・再生する増幅器を介在させる必要がある。この100年来のプリミティブによって、インターコネクト密度の高い現代のチップの設計と性能が厳しく制約されている。今回我々は、準安定なカオスの縁(EOC:edge of chaos)に基づく根本的に異なるプリミティブを提示する。EOCは、生物の軸索における能動的(自己増幅的)な伝達の根底にあるもので、ずっと以前から理論化されてきたものの、実験的に捉えるのは難しい領域であった。我々は、LaCoO3のスピンクロスオーバーを電気的に実現することによって、小信号負性抵抗と摂動の増幅を特徴とする準安定EOCを分離した。EOCの所でバイアスされた媒体の上にある金属線では、一端から入力された信号は、別個の増幅構成要素を通過することなく、増幅された状態で他端から出る。能動伝達は、表面的には超伝導に似ている一方、制御可能に増幅された時間変化する小信号の常温常圧での伝播を実現するが、電気的に励起されたEOC媒体を必要とする。オペランド熱マッピングからは、増幅の機構が明らかになり、EOC媒体のバイアスのエネルギーが、熱として完全に散逸するのではなく金属線中の信号増幅に部分的に利用され、空間的に連続した能動伝達が可能になることが分かった。これは、複雑な電子チップの設計と性能を一変させる可能性がある。

