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生物地球化学:海洋のトワイライトゾーンにおける微生物の鉄制限
Nature 633, 8031 doi: 10.1038/s41586-024-07905-z
太陽光が届く海洋表面における一次生産は、主に硝酸塩、リン酸塩、鉄(Fe)といった重要栄養素の供給によって調節されており、これらは、植物プランクトンが二酸化炭素をバイオマスに固定するのに必要とするものである。海面下では、沈降有機物の再無機化によって栄養素が迅速に再生され、中深層上部の「トワイライトゾーン(薄光層)」(200~500 m)における微生物代謝は、不安定有機炭素の輸送によって制限されると考えられている。しかし、中深層における微生物生産を形作る栄養素の役割を調べた研究はほとんどない。今回我々は、東部太平洋の子午面における、微生物のFe欠乏のバイオマーカーであるシデロフォアの分布と取り込みについて報告する。シデロフォア濃度は、慢性的にFeが制限された表層水だけでなく、海洋炭素循環の2つの重要な生態系である北太平洋亜熱帯還流および南太平洋亜熱帯還流の下層のトワイライトゾーンでも高かった。今回の知見は、Feの低い利用可能性に起因する細菌のFe欠乏がおそらく、いくつかの大海盆におけるトワイライトゾーンの特徴であることを示唆しており、これは、栄養素が微生物代謝を制限する海洋水柱域を大幅に拡張するとともに、海洋の炭素貯蔵にも意味を持つ可能性がある。

