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神経科学:オリゴデンドロサイトとミエリンは視覚野でのニューロン可塑性を制限する
Nature 633, 8031 doi: 10.1038/s41586-024-07853-8
発生におけるミエリン形成は、哺乳類脳では長期にわたって続く過程である。オリゴデンドロサイトの成熟が非常に遅い理由を説明する説の1つに、動物の加齢に伴い、ミエリン形成が神経回路を安定化させてニューロン可塑性を調整すると仮定するものがある。今回我々は、経験依存的なニューロン可塑性の明確に定義された臨界期が存在する視覚野において、この説を検証した。若齢期には、視覚経験が視覚野でのオリゴデンドロサイトの成熟速度を調整することが分かった。オリゴデンドロサイトの成熟がその後のニューロン可塑性を調節するかどうかを調べるため、我々は若齢マウスでオリゴデンドロサイトの分化とミエリン形成を遺伝学的に阻害した。その結果、若齢期にオリゴデンドロサイト発生が起こらなかった成体マウスでは、短期間の単眼遮蔽によって、遮蔽された側の目に対する視覚野反応が著しく低下した。これは、通常は若齢期に限られている可塑性に類似している。この機能的な可塑性の亢進は、遮蔽後の樹状突起スパイン代謝回転の増加とスパインサイズの協調的な減少を伴っていた。さらに、若齢期のオリゴデンドロサイト発生が起こらなかった場合、経験依存的な可塑性を回路レベルで制御する抑制性シナプス伝達が減弱した。これらの結果は、オリゴデンドロサイトが皮質回路の成熟と安定化を形作る上で極めて重要な役割を果たしていることを明らかにしており、発生におけるミエリン形成がニューロン可塑性の機能的ブレーキとして作用するという考えを裏付けている。

