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構造生物学:ヒトXPR1の構造から明らかになったリン酸排出機構

Nature 633, 8031 doi: 10.1038/s41586-024-07852-9

無機リン酸(Pi)は、全ての生物が多量に必要とする基本的栄養素であり、その恒常性は多くの生物学的活性に極めて重要である。現在までに知られている唯一のヒトPiエクスポーター(排出輸送体)であるXPR1は、細胞のPi恒常性に不可欠な役割を持っており、XPR1の機能不全は神経変性疾患と関連している。しかし、XPR1が仲介するPi排出を支える機構と細胞内イノシトールポリリン酸(InsPP)センサーであるSPXドメインによる調節の機構はまだ解明されていない。今回我々は、ヒトXPR1について、Piが結合した閉じた形態と開いた形態、それにInsP6が結合した形態のクライオ電子顕微鏡構造を示し、XPR1のゲート開閉とInsPPによる調節の構造基盤を明らかにした。XPR1はN末端のSPXドメイン、二量体形成コアドメイン、それにPi輸送ドメインから構成されている。輸送ドメイン中では、3つの塩基性クラスターがPiの結合と輸送に関わっていて、保存されたW573がゲート開閉のための分子スイッチとして働いている。また、SPXドメインはInsP6と結合し、Pi進入を制限するC末端ループを遊離させることでPi排出を促進している。今回の研究は、菌類、植物、動物でのXPR1ホモログによるPi恒常性維持の機構を理解するための概念的枠組みを示すものである。

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