Article

構造生物学:ノルエピネフリン輸送体の基質結合と阻害の機構

Nature 633, 8029 doi: 10.1038/s41586-024-07810-5

ノルエピネフリン輸送体(NET;SLC6A2にコードされている)は、放出されたノルエピネフリンの大部分を再びシナプス前終末へと取り込むので、シナプスのノルアドレナリンレベルに影響を及ぼす。NETの遺伝的変異と調節不全はヒトの幅広い神経学的疾患に関連するため、NETは重要な治療標的の1つとなっている。しかし、NETの構造と作用機構はまだ解明されていない。今回我々は、3つの機能的状態にあるヒトNET(hNET)のクライオ電子顕微鏡構造を明らかにする。3つの状態とは、アポ状態、基質であるメタヨードベンジルグアニジン(MIBG)と結合した状態、それにオルソステリック阻害剤であるラダファキシンと結合した状態である。これらの構造は内向きのコンホメーションで捉えられており、細胞外側の開口部はしっかりと閉じられ、細胞側のそれは開いている。基質のMIBGはhNETの中心に結合している。またラダファキシンも基質結合部位を占拠していて、hNETの構造変化を妨害して阻害するのだろう。これらの構造からは、hNETの基質認識とオルソステリックな阻害の機構を知る手掛かりが得られるだろう。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度