遺伝学:Teosinte Pollen DriveはRNAiによるトウモロコシの多様化と栽培化を導く
Nature 633, 8029 doi: 10.1038/s41586-024-07788-0
利己的な遺伝子エレメントは雑種不和合性に寄与し、自身の伝達にバイアスをかけ、すなわちそれを「ドライブ」する。染色体ドライブが通常、非対称な雌性減数分裂で機能するのに対し、遺伝子ドライブは一般に減数分裂後に働き、通常は雄で見られる。今回我々は、単一分子および単一花粉のゲノム塩基配列解読を用いて、トウモロコシ(Zea mays ssp. mays)とテオシント(Z. Mays ssp. mexicana)の雑種における、RNA干渉(RNAi)依存的な遺伝子ドライブの例であるTeosinte Pollen Driveを報告する。テオシントのノンコーディングRNAヘアピンに由来する22ヌクレオチドの低分子RNAは、Dicer-like 2(Dcl2)に依存し、花粉の生存に必要なリパーゼをコードするTeosinte Drive Responder 1(Tdr1)を標的とする。Dcl2、Tdr1、ヘアピンは、5番染色体上で強固な偽連鎖状態にあるが、これは雄を介して伝達される場合に限られる。初期の栽培トウモロコシへのテオシントの遺伝子移入は、南北アメリカ大陸全域に及ぶその地理的分散に極めて重要であったと考えられており、テオシントの強固に連鎖した逆位は現代のトウモロコシの主要な栽培化スイープに広がっている。トウモロコシの伝統品種とテオシントの同所個体群に関する調査によって、RNAiに必要な非連鎖遺伝子間の交雑の相関的パターンが、人工的な雑種の花粉でも遺伝子ドライブの作用を受ける、少なくとも4つの染色体で明らかになった。Teosinte Pollen Driveは、おそらくトウモロコシの栽培化と多様化で重要な役割を果たしたと考えられ、「自己」の低分子RNAが動植物の生殖細胞系列に広く大量に存在することの説明になる。

