Perspective
考古学:極端な太陽嵐と放射性炭素による正確な年代測定の探求
Nature 633, 8029 doi: 10.1038/s41586-024-07679-4
放射性炭素(14C)は、5万5000年前から現在に至るまでの人類の歴史と地球システムにおける重要な出来事の時期や要因を研究するための年表を作成するのに、不可欠である。14Cはまた、太陽のさまざまなプロセスを調べるための基本的な代理指標でもあり、そうしたプロセスには非常に激しい太陽活動の可能性が含まれる。これまで、過去の大気中の14C濃度の変動により、放射性炭素を用いて可能になる年代測定の精度が制限されてきた。しかし、極端な太陽粒子現象(ESPE)として知られる巨大太陽嵐の発見によって、放射性炭素年代測定の暦年代の精度を一変させる可能性のある一連の進歩が推進されている。独特な14CのESPEシグネチャーを含む有機物は、現在では年単位の精度で年代測定が可能である。それと並行して、14Cの高精度な経年測定値を用いた新たな太陽嵐の探索によって、ESPEがない時代でも暦年代の精度を改善するのに使える微細なスケールの変動が明らかになっている。さらに、新たに特定された14Cの変動により、太陽の変動と炭素循環に関してこれまでにない知見が得られている。本論文で我々は、現時点で分かっていることを概観し、急速に発展しているこれらの多様な研究分野について我々の洞察を提示する。我々は、学際的な共同研究を促進するための、放射性炭素、考古学、太陽物理学、地球科学の間に存在する関連性を明らかにするとともに、研究者が最近のこうした発展をどのように活用できるか提案する。

