Review

分子進化学:真核細胞の起源と初期進化についての新たな見解

Nature 633, 8029 doi: 10.1038/s41586-024-07677-6

真核細胞は区画化された性質を持ち、細菌細胞やアーキア細胞と比べて一般的にサイズが大きいことから、その起源は地球上の複雑な生命の進化において基礎となる事象の1つである。真核細胞は、真核生物発生と呼ばれる過程で、祖先のアーキアから約27億〜18億年前に進化したと考えられており、重要な事象の1つに細菌(原始的なミトコンドリア)パートナーとの共生がある。生命の系統樹では、全ての真核生物の最初の共通祖先(FECA)と最終共通祖先(LECA)を分ける枝は長く、進化の中間段階が欠けている。その結果、真核生物の複雑な特徴が出現したタイミングや原動力はほとんど解明されていない。過去10年間の環境ゲノム研究および比較ゲノム研究により、宿主細胞と原始的なミトコンドリアである内部共生体のアイデンティティーや性質について極めて重要な詳細が明らかになり、真核細胞の共生起源の基礎となる仮説を精密に検討再評価できるようになった。本論文で我々は、原核生物から真核生物への移行の際に細胞の複雑性出現の基盤となった主要なプレーヤーと事象についての我々の現在の理解を概説し、真核細胞の謎に満ちた起源について新たな手掛かりを提供する可能性のある、今後の研究が取り得るべき道について論じる。

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