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生化学:ユビキチン経路でのチオール転移反応中間体の構造基盤
Nature 633, 8028 doi: 10.1038/s41586-024-07828-9
チオール転移反応(別名チオエステル交換反応)は、アセチル補酵素A、脂肪酸、ポリケチドの生合成、またユビキチン(Ub)とユビキチン様(Ubl)タンパク質による翻訳後修飾に用いられる。Ub経路では、E1酵素が触媒してE1~UbチオエステルからE2~Ubチオエステルへのチオール転移が起こる。またチオール転移は、E2~UbチオエステルからHECT(homologous to E6AP C terminus)型E3リガーゼやRBR(ring-between-ring)型E3リガーゼへとUbを転移してE3~Ubチオエステルを形成するのにも必要である。しかし、チオエステル結合の等エネルギー転移が、Ub経路中の酵素によってどのように推進されるのかはまだ解明されていない。今回我々は、天然の酵素と天然に近いUbを用いるという化学的戦略によって、E1–Ub(T)–E2複合体とE2–Ub(T)–E3HECT複合体(ここではTはチオエステル中のUbまたはチオール転移反応中のUbを表す)の一時的なチオール転移中間体の模倣物を単離した。そして、単粒子クライオ電子顕微鏡法によって決定した構造連続体を捉え、それを可視化した。これらの構造と同時に行われた生化学実験によって、Ub、E1、E2、E3に化学反応と協調して起こったコンホメーション変化により、各酵素から次の酵素へという方向性の決まったUbの転移が促進されることが明らかになった。

