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心血管生物学:損傷の境界領域で空間的にクラスター化したI型インターフェロン応答
Nature 633, 8028 doi: 10.1038/s41586-024-07806-1
従来、心筋梗塞後の非感染性炎症は、梗塞域で死細胞の残屑と相互作用する骨髄系細胞が原因であると考えられてきた。本論文で我々は、心筋細胞が、梗塞の境界領域におけるこれまで報告のないI型インターフェロン応答の主要なイニシエーターであることを示す。我々は、マウスおよびヒトにおける空間トランスクリプトーム解析を用いて、心筋梗塞が、境界領域を修飾してインターフェロン誘導遺伝子を発現するIFNIC(interferon-induced細胞)のコロニーを誘導することを見いだした。境界領域では、心筋細胞が機械的ストレスを受け、核の破裂や染色体DNAの逸脱を生じる。心筋細胞選択的にIrf3を欠失させると、IFNICコロニーが形成されなかったのに対して、繊維芽細胞、マクロファージ、好中球あるいは内皮細胞でIrf3を欠損したマウスやCcr2欠損マウス、形質細胞様樹状細胞除去マウスでは、IFNICコロニーが形成された。インターフェロンは、境界領域の繊維芽細胞の保護的なマトリセルラープログラムや収縮機能を減弱し、病的なリモデリングに対する脆弱性を高めた。心筋梗塞後に死亡したマウスでは、IFNICコロニーは心室破裂部位のすぐ近傍に見られた一方で、IFNICを欠くマウスでは、破裂が抑えられ、生存率が改善した。これらの結果により、心筋細胞が開始させる自然免疫応答を特徴とした病的な境界領域ニッチが明らかとなった。非免疫細胞でのIRF3活性化の選択的な阻害によって、広範な免疫抑制を避けつつ、虚血性の心筋症を抑制できることが示唆された。

