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がんゲノミクス:小児T細胞性急性リンパ芽球性白血病のゲノム基盤
Nature 632, 8027 doi: 10.1038/s41586-024-07807-0
T細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)は高リスクの腫瘍であるが、包括的なゲノム特性解析は行われていない。その理由の1つには、がん遺伝子の脱調節を引き起こす非コードゲノム変化が高頻度で起きていることが挙げられる。今回我々は、同等の治療を受けた1300人以上のT-ALL小児患者から採取した腫瘍試料と寛解試料に対して、ゲノムおよびトランスクリプトームの塩基配列解読と、悪性および正常なT細胞前駆細胞のエピゲノム解析と単一細胞解析を組み合わせた、統合的な解析の結果を報告する。この手法により、ゲノムドライバー、遺伝子発現パターン、発生状態、転帰が異なる、15種類のサブタイプが特定された。クロマチントポロジー解析により、エンハンサーと遺伝子にサブタイプ特異的様式で関与する複数のエンハンサー脱調節機構が明らかになり、非コードゲノムの広範な関与が実証された。また、免疫表現型によって説明されてきた高リスクの初期T細胞前駆細胞ALLの疾患概念が、より広範なカテゴリーの「初期T細胞前駆細胞様」白血病に置き換えられることが分かった。このカテゴリーには、変化しやすい免疫表現型と、造血幹細胞発生の調節因子をコードする遺伝子の中核的なセットの多様なゲノム変化が含まれる。我々は、多変量アウトカムモデルを用いて、遺伝的サブタイプ、ドライバーおよび付随する遺伝的変化が、治療失敗と生存を独立に予測することを示す。これらの知見は、この疾患の分類やリスク層別化、機序理解のためのロードマップとなる。

