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健康科学:成人の近位小腸の空間的遺伝子発現アトラス

Nature 632, 8027 doi: 10.1038/s41586-024-07793-3

マウスの小腸では、陰窩–絨毛軸に沿って遺伝子発現に著しい可変性が見られる。しかし、ヒト成人の腸でも遺伝子発現に同様な空間的不均一性が存在するかどうかは、まだ明らかにされていない。今回我々は、空間的トランスクリプトミクス、空間的プロテオミクス、単一分子蛍光in situハイブリダイゼーション法を用いて、成人の近位小腸の包括的な空間的遺伝子発現アトラスを作製した。我々は、上皮系、間葉系、免疫系の細胞タイプについて、帯状の遺伝子発現と細胞タイプの表現について記述する。移動する腸細胞は、絨毛基部での脂肪滴構築と鉄の取り込みから、絨毛先端でのカイロミクロン生合成と鉄の放出へと切り換わることが分かった。絨毛先端細胞は、マウスでは免疫抑制の役割を担うのとは対照的に免疫促進性であり、γδT細胞とマクロファージを絨毛先端へと誘引する。また、ヒトの小腸には鋸歯状の分岐した絨毛が豊富に存在していて、それが輪状ひだの先端に特に多いことも明らかになった。これらの知見によって、ヒト成人小腸を生物学的に理解するための詳細な情報資源が得られた。

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