Article

分子生物学:FANCD2–FANCIはDNAを調べて二本鎖と一本鎖の接合部を識別する

Nature 632, 8027 doi: 10.1038/s41586-024-07770-w

DNA架橋はDNA複製を遮断し、ファンコニ貧血経路により修復される。FANCD2–FANCI(D2-I)タンパク質複合体は、損傷周辺のDNA切断を調整することにより修復を開始させるので、この過程に重要である。しかし、D2-Iは、DNA修復と停止した複製フォークの予定外の分解の防止にもっと一般的な役割を持つことが知られている。現在のところ、DNA架橋が認識される仕組みと、D2-Iが複製フォークの保護にどのように機能しているのかは明らかになっていない。今回我々は、単一分子画像化を用いて、D2-Iはスライディングクランプであって、二本鎖DNAに結合して移動することを示す。スライドするD2-Iは、DNA損傷で複製フォークが停止した際に形成される構造であるDNAの一本鎖–二本鎖(ss–ds)ジャンクションに遭遇すると停止する。我々は、クライオ電子顕微鏡法を用いて、DNA上で停止したD2-Iがss–ds接合部と特異的な相互作用をしている際の構造を決定した。この構造は、スライディング中のD2-Iが形成するものとは異なっている。従って、D2-IはdsDNAを調べ、ssDNAのギャップに到達すると、ss–dsDNA接合部を特異的に固定する。ss–dsDNA接合部は停止した複製フォークの所で見つかるため、D2-IはDNA損傷部位を突き止めることができる。従って、我々のデータは、いくつかのDNA修復経路で停止した複製フォークの認識と保護におけるD2-Iの役割を調整する、統合された分子機構を示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度