Article

系外惑星:系外惑星WASP-39 bの非一様な明暗境界線

Nature 632, 8027 doi: 10.1038/s41586-024-07768-4

透過分光法は、系外惑星の大気の物理的性質や化学的性質を絞り込むために、過去20年にわたって用いられてきた主力技術である。透過分光法における古くからある主要な仮定の1つは、調べる大気の部分(明暗境界線)が一様であるということである。しかし、過去10年間に行われたいくつかの研究によると、高照射を受けている高温(Teq ≳ 1000 K)の巨大ガス系外惑星については、実証的にも三次元モデル化を通してもこの仮定に疑問が突き付けられている。モデルでは、夕方(昼から夜へ)と朝(夜から昼へ)の明暗境界線の間に明確な違いがあると予測されているが、広い波長範囲における朝夕の直接透過スペクトルは、これまで系外惑星については報告されていない。今回我々は、系外惑星WASP-39 bに対する精密で正確な軌道パラメーターを仮定して、WASP-39 bに非一様な明暗境界線を検出したことを報告する。これにより、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)を用いて近赤外領域(2~5μm)で朝夕の透過スペクトルを取り出すことができた。我々は、夕方のトランジットの深さが、朝のトランジットの深さよりも平均して405 ± 88 ppm大きく、かつ、夕方のスペクトルが朝のスペクトルよりも定性的に大きな特徴を持つことを観測した。これらのスペクトルは、夕方の明暗境界線が朝のそれよりも177+65−57 K高温で、いずれの明暗境界線のC/O比も太陽と同程度であるとするモデルによって最もよく説明される。大循環モデル(GCM)は、上述の値とほぼ一致する温度差を予測し、朝の明暗境界線は曇っており、夕方のものはより晴れていることを示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度