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生体力学:甲虫類と羽ばたきマイクロロボットにおける翅の受動的な展開と収納
Nature 632, 8027 doi: 10.1038/s41586-024-07755-9
鳥類、コウモリ類、多くの昆虫類は、休息時には翼や翅を体に沿って折りたたみ、動力飛行(羽ばたき飛行)時にはそれらを展開することができる。鳥類とコウモリ類はよく発達した胸筋と翼筋を用いているが、昆虫類は翅の展開と収納の制御が種によってさまざまであるため、それがどのように行われているのかはいまだ解明されていない。甲虫類(鞘翅類)に見られる機構は、極めて複雑なものの1つである。カブトムシ(Allomyrina dichotoma)では、翅の展開は、翅鞘を完全に開き、後翅をその基部で部分的に開くことで開始される。次いで、羽ばたきが始まると、後翅の基部が持ち上がり、その先端が折り紙のように広げられる。この折り紙に似た折りたたみ方は徹底的に研究されているが、後翅の基部の動きについては、それが胸部の筋肉に駆動されると考えられているものの、これまでほとんど注目されてこなかった。今回我々は、カブトムシが、筋肉の活動を必要とせずに、後翅を容易に展開できることを実証する。翅鞘を開くことが引き金となって後翅がばねのように体から部分的に離れ、これにより、その後の羽ばたき運動に必要な隙間が生じ、後翅が飛行時の形態をとれるようになる。飛行を終えると、カブトムシは翅鞘を用いて後翅を休息時の形態に押し戻すことができ、これは受動展開の仮説をさらに裏付けている。我々はこの仮説を、安定した制御飛行のために人工翅を受動的に展開して着地時にはそれらを適切に折りたたむ羽ばたきマイクロロボットを用いて立証し、昆虫に似た飛行マイクロマシンを設計するための単純ながら効果的な手法を実証している。

