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宇宙空間物理学:地球の両極性静電場と宇宙空間へのイオン流出におけるその役割
Nature 632, 8027 doi: 10.1038/s41586-024-07480-3
近年、地球の電離圏由来の冷たいプラズマが、磁気圏に予想以上に大きく影響していることが明らかになった。宇宙空間へのイオン流出を駆動する機構としては、波動–粒子相互作用による加熱と加速や、電離圏と宇宙空間の間の大域的な静電場(両極性電場または分極電場と呼ばれる)など、数多くの競合する機構が提案されている。磁気圏での加熱されたO+イオンの観測は、波動–粒子相互作用の共鳴と一致している。一方で、極電離圏からの冷たいH+の超音速流(極風と呼ばれる)の観測は、静電場の存在を示唆している。本論文で我々は、電離圏電子の外向きの圧力のみによって生成される地球静電場(E||⊕ = 1.09 ± 0.17 μV m−1)に起因する、高度250〜768 kmでの+0.55 ± 0.09 Vの電位降下の存在について報告する。我々は、地球の両極性電場が極電離圏の構造を制御し、そのスケールハイトを271%増大させていることを、実験的に実証した。これによって磁気圏への冷たいO+イオンの供給が3800%以上増加し、波動–粒子相互作用などの他の機構がこうしたイオンを加熱してさらに脱出速度にまで加速できるようになると推測される。地球の静電場は単独で極風を駆動するのに十分なほど強く、おそらく磁気圏の大部分を支配する冷たいH+イオン集団の起源であると考えられる。

