Article

電子デバイス:トップゲート2Dトランジスター用の単結晶金属酸化物誘電体

Nature 632, 8026 doi: 10.1038/s41586-024-07786-2

高いキャリア移動度を持つ原子層材料から構成される二次元(2D)構造が、将来のトランジスター候補として研究されている。しかし、2Dの電界効果トランジスター(FET)は、優れた物理的特性や電気的特性を持つにもかかわらず、適切な高品質誘電体が得られないため、理論的な潜在能力と優位性を十分達成できないでいる。今回我々は、2D FETにおける高品質トップゲート誘電体として、単結晶Al2O3(c-Al2O3)原子層の作製を実証する。インターカレーション酸化法(intercalative oxidation technique)を用いることによって、室温で単結晶Al表面上に厚さ1.25 nmの安定で定比のc-Al2O3原子層が形成された。c-Al2O3は、好ましい結晶構造と明確な界面を持つため、そのゲートリーク電流、界面準位密度、絶縁耐力は、IRDS(国際デバイスおよびシステムロードマップ)の要求事項を満たしている。我々は、ソース、ドレイン、誘電体材料、ゲートで構成されるワンステップ転写プロセスを通して、61 mV dec−1という急峻なサブスレッショルドスイング、108という高いオンオフ電流比、10 mVという非常に小さいヒステリシスを特徴とするトップゲートMoS2 FETを実現した。今回の手法と材料は、負性容量トランジスターやスピントランジスターなどの、十分スケーラブルな高性能2D FETへの集積化に適した高品質単結晶酸化物を作製できる可能性を実証している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度