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グラフェン:加熱キャリアの誘導放出に基づくホットエミッター・トランジスター
Nature 632, 8026 doi: 10.1038/s41586-024-07785-3
ホットキャリア・トランジスターは、キャリアの過剰な運動エネルギーを利用するデバイスの一種である。定常状態のキャリア輸送に依存する標準的なトランジスターとは異なり、ホットキャリア・トランジスターは、キャリアを高エネルギー状態まで変調させる結果として、デバイスの速度と機能性を向上させる。こうした特徴は、高度な通信や最先端の計算技術など、高速スイッチングと高周波動作が求められる用途に不可欠である。しかし、従来のホットキャリア生成機構はキャリア注入かキャリア加速のいずれかであり、消費電力と負性微分抵抗の観点でデバイス性能が制限される。バルク材料と低次元材料を組み合わせた混合次元デバイスは、エネルギーバンドの組み合わせによって形成されるさまざまなポテンシャル障壁を活用することによって、異なるホットキャリア生成機構をもたらす可能性がある。今回我々は、二重混合次元グラフェン/ゲルマニウム・ショットキー接合に基づくホットエミッター・トランジスターを報告する。このトランジスターは、加熱キャリアの誘導放出を用いて、ボルツマン限界を超える1 mV/decade未満のサブスレッショルドスイングと、室温でピーク・バレー電流比が100を超える負性微分抵抗を達成した。さらに、高いインバーターゲインと再構成可能な論理状態を用いた多値論理が実証された。今回の研究は、低消費電力用途や負性微分抵抗用途に大きな可能性を持つ多機能ホットエミッター・トランジスターを報告しており、ポストムーア時代に向けた有望な進歩を示している。

