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生物地球化学:一次生産と移出生産を制御する低緯度海洋中深層の栄養塩循環

Nature 632, 8026 doi: 10.1038/s41586-024-07779-1

低緯度(LL)海洋は、全海洋の純一次生産と移出生産の最大で半分を担っている。従来、南大洋がLLの一次生産と移出生産を制御し、気候変化に対する全海洋の一次生産と移出生産の応答とも密接に関係していると論じられてきた。本論文で我々は、観測データの解析と感度実験を個別のモデルに適用し、従来の説に代わって、LLの一次生産の72%と移出生産の55%が、局所的な中深層の主要栄養塩の循環により制御されていることを示す。LLの移出生産の合計34%は、より深層の子午面循環セルを通じて南大洋から供給された、事前形成された主要栄養塩により維持されているが、亜南極と水温躍層の水塊を介した南緯30度を横切る上層の事前形成された主要栄養塩の北向きの供給は、LL移出生産の7%しか維持していない。温室効果ガスの高排出(共通社会経済経路〔SSP〕5-8.5)シナリオと低排出(SSP1-2.6)シナリオの両者の下で1850年から2300年まで駆動した、5つの第6次結合モデル相互比較計画(CMIP6)モデルの解析結果は、LL一次生産の予測の振幅だけでなく増減についてもモデル間で大きな差があることを明らかにしている。海洋上層でのより顕著な温暖化を伴う高排出SSP5-8.5シナリオの下では、栄養塩再生の温度依存性を考慮したCMIP6モデルは、温暖化の下でLLの中深層での栄養塩の滞留強化を引き起こし、この栄養塩再生の温度依存性が、高排出シナリオの下でLL生産を減少させるのではなく安定化させるかあるいは増加させるのに主要な貢献をしていることが示された。これは、将来の生態系変化を予測するには、中深層における栄養塩再生と、その海洋温暖化に対する感度のメカニズムを理解するのが重要であることを強調している。

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