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構造生物学:ヒトノルアドレナリン輸送体の輸送と阻害の機構
Nature 632, 8026 doi: 10.1038/s41586-024-07638-z
ノルアドレナリン(別名ノルエピネフリン)輸送体(NET)は、ナトリウムと塩素の濃度勾配を利用してノルアドレナリン作動性シグナル伝達を終了させ、シナプス前ニューロンへのノルアドレナリンの再取り込みを駆動するという重要な役割を担っている。NETは、さまざまな抗うつ剤や鎮痛剤の薬理学的標的である。数十年にわたる研究にもかかわらず、NETの構造、およびノルアドレナリンの輸送とイオン勾配との共役や非競合的阻害の基盤となっている分子機構は、まだ分かっていない。今回我々は、2つの基本的なコンホメーションにあるNETについて、アポ状態、および基質のノルアドレナリン、χ-コノトキシンMrlA(χ-MrlAEM)の類似体、ブプロピオンまたはジプラシドンと結合した複合体の高分解能構造を示す。ノルアドレナリンと結合した構造からは、ノルアドレナリンの結合様式が明確になった。Na+とCl−の配位によって、コンホメーション遷移の間に顕著な変化が起こった。χ-MrlAEMに結合したNETの構造解析から、コノトキシンがNETにアロステリックに結合してNETを阻害する仕組みについての知見が得られた。また、ブプロピオンとシプラシドンはNETを内向き状態に安定化するが、結合ポケットはそれぞれ異なっていることが示された。これらの構造から、NETでの神経伝達物質輸送と非競合的阻害を支配する機構が明らかになり、将来の薬剤設計のための青写真が得られた。

