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生態学:氷河の後退で出現した陸上生態系の発達
Nature 632, 8024 doi: 10.1038/s41586-024-07778-2
氷河の全球的な後退は山岳および高緯度地域の景観を劇的に変化させつつあり、一見不毛な土地から新たな生態系が発達している。こうした新たに出現した生態系に関する研究は、気候変動が微小生息地や生物群集とどのように相互作用し、氷の消えた地域の未来をどのように決定付けるかを理解するのに不可欠である。今回我々は、世界各地の46の氷河前縁景観にわたる生態系の網羅的特性評価(土壌特性、微気候、生産力、環境DNAメタバーコーディングによる生物多様性)を用いることにより、全ての環境特性が氷河の後退以降に経時的に変化すること、そして、温度が土壌栄養素の蓄積を調節していることを見いだした。細菌、菌類、植物、動物の豊富さは、退氷以降に経時的に増加するが、それらの時間的パターンは一様ではなかった。微生物の定着は氷河後退後の最初の数十年で最も急速であったのに対し、その他の生物(維管束植物および動物)はその大半が定着により長い時間を要した。生息地の適性の向上、生物の相互作用の複雑化、経時的に進行する定着はいずれも、経時的な生物多様性の増大に寄与していた。こうした過程はまた、あらゆる生物群の群集組成を変化させた。植物群落は、他の全ての生物多様性要素と正の関係を示し、生態系の発達で重要な役割を担っていた。こうした統一的なパターンは、退氷を受けた地域の初期の動態に関して新たな知見をもたらすとともに、それらのさまざまな環境特性に関する統合的な調査の必要性を浮き彫りにしている。

