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ウイルス学:ヒトTMEFF1は脳における単純ヘルペスウイルスの制限因子である

Nature 632, 8024 doi: 10.1038/s41586-024-07745-x

単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)脳炎(HSE)のほとんどの症例は、いまだに原因不明である。今回我々は、小児期にHSEに罹患した血縁関係のない2人が、脳皮質ニューロンに優先的に発現する細胞膜タンパク質をコードするTMEFF1の有害でまれなバリアントをホモ接合で持つことを報告する。TMEFF1は、細胞表面のHSV-1受容体であるNECTIN-1と相互作用することで、HSV-1の糖タンパク質DとNECTIN-1を介したウイルスと細胞膜の融合を妨げ、ウイルスの侵入を阻止する。TMEFF1を遺伝的に欠損していると、HSV-1は、患者特異的皮質ニューロンあるいはCRISPR–Cas9による改変を行ったヒト多能性幹細胞由来の皮質ニューロンに迅速に侵入できるようになり、核へのHSV-1移行と、それに続く複製が亢進した。この細胞表現型は、I型のインターフェロン(IFN)による前処理あるいは外来の野生型TMEFF1の発現によって救済できた。さらに、完全長TMEFF1あるいはそのアミノ末端細胞外ドメインを異所的に発現させると、ニューロン以外のNECTIN-1発現細胞へのHSV-1侵入が妨げられ、HSV-1感染に対する抵抗性が高められたが、こうした影響はTMEFF1のカルボキシ末端細胞内ドメインの異所的発現では見られなかった。従って、ヒトTMEFF1は、皮質ニューロンへのHSV-1侵入の宿主制限因子であることが分かった。皮質ニューロンは、TMEFF1の存在量が構成的に高いことによってHSV-1感染から防御されているが、遺伝的にTMEFF1を欠損していると皮質ニューロンはHSV-1に感染しやすくなるため、HSEの原因となり得る。

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