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がん:単一細胞分解能での腫瘍脈管構造

Nature 632, 8024 doi: 10.1038/s41586-024-07698-1

腫瘍はプログレッションや転移に必要な栄養素と酸素を、血液の供給によって得ている。血管新生の誘導では、既存の血管床が出芽し、それが組織化されたネットワークへと成熟する。今回我々は、31種類のがんについて、372人のドナーから提供された約20万個の細胞からなる単一細胞分解能の包括的な腫瘍脈管構造アトラスを作製した。軌跡の推測から、腫瘍の血管新生は静脈内皮細胞から始まり、動脈内皮細胞へと伸長することが示唆された。新生血管の伸長(血管新生段階のSI、SII、SIIIを経る)につれて、SI段階にあるAPLN+先端細胞(APLN+ TipSI)がNotchシグナル伝達の増加と共にTipSIII細胞へと進行した。それと同時に、茎細胞が先端細胞に続いて、ケモカインの高発現からTEK(別名Tie2)の発現亢進へと変化した。また、APLN+ TipSI細胞は腫瘍プログレッションや予後不良に関連するだけでなく、抗VEGF療法に対する応答の予測にも有望であることが分かった。さらにリンパ管内皮細胞には、2つの異なる分化系統があることも明らかになった。1つはリンパ管新生に関わる系統で、もう1つは抗原提示に関係する系統である。周皮細胞では、小胞体ストレスが血管新生促進性のBASP1+マトリックス産生性周皮細胞に関連していた。さらに細胞間コミュニケーションの解析によって、新生血管の内皮細胞が、血管新生を助ける免疫抑制性微小環境を形成し得ることが明らかになった。今回の研究は、腫瘍脈管構造の複雑さを示しており、抗血管新生療法の臨床に重要な意味を持つ可能性がある。

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