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神経科学:扁桃体皮質核は社会的に伝達される長期記憶を固定する

Nature 632, 8024 doi: 10.1038/s41586-024-07632-5

社会的なコミュニケーションは意思決定を導き、それは生存にとって不可欠である。食物嗜好の社会的伝達(STFP)は、生態学的に重要な記憶のパラダイムであり、動物は好ましい食物のにおいを、社会的状況の中で他個体から学習して、長期記憶を形成する。しかし、食物嗜好の記憶がどのように獲得され、固定され、保存されるのかは分かっていない。本論文で我々は、扁桃体後内側皮質核(COApm)が、社会的入力と感覚性の嗅覚入力を統合することで、STFPの長期記憶固定の際の演算中枢として働いていることを示す。COApmを基盤とする回路によるシナプス信号伝達を遮断すると、STFP記憶の獲得、保存、再生は障害されないが、STFP記憶の固定だけが選択的に消失した。COApmが媒介するSTFP記憶の固定は、副嗅球からのシナプス入力と前嗅核へのシナプス出力に依存している。STFP記憶の固定にはタンパク質合成が必要であることから、遺伝子発現機構が介在していることが示唆される。単一細胞空間トランスクリプトーム詳細解析により、STFP記憶の形成により誘導されたロバストだが別個の遺伝子発現シグネチャーがCOApmに認められ、これはシナプスの再構成と符合する。従って今回のデータは、社会的コミュニケーションによる長期記憶固定のための神経回路を明示しており、それによってタンパク質合成依存的な記憶固定を、記憶の獲得、保存、検索とは機構的に区別している。

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