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生物工学:大きなジストロフィンを発現するための分割インテインを介したタンパク質のトランススプライシング

Nature 632, 8023 doi: 10.1038/s41586-024-07710-8

アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いた遺伝子置換は、多数の疾患の有望な治療法である。しかし、この治療手法での難題はAAVのパッケージング容量(約4.7キロ塩基)で、これが大きなコーディング配列が関係する疾患(14キロ塩基のメッセンジャーRNAが関わるデュシェンヌ型筋ジストロフィーなど)への応用を制限している。今回我々は、分割インテインを介したタンパク質のトランススプライシング機構を用いて、大型のジストロフィンを発現する新しい手法を開発した。まず、2個あるいは3個の断片を効率よく連結して大きな中型ジストロフィンや完全長ジストロフィンを作製できる分割インテイン対を複数明らかにした。そして、ジストロフィーのマウスに2個あるいは3個のAAVを導入したところ、大型のジストロフィンがロバストに発現する結果となり、マイクロジストロフィンの場合に比べて、かなりの生理的改善がみられた。さらに、ジストロフィーのマウスで強力なミオトロピックカプシドのAAVMYOを用いることにより、総投与量が低くても(2×1013ウイルスゲノム/kg)、全身の横紋筋で大型ジストロフィンが十分な量発現され、著しい生理的改善が見られることが実証された。これらのデータは、現在臨床試験が行われているマイクロジストロフィンよりも、大型ジストロフィンの方が明らかに機能的に優れていることを示している。この手法は、遺伝子型に関わりなく多くのデュシェンヌ型およびベッカー型の筋ジストロフィー患者に恩恵をもたらす可能性があり、AAVの容量を超える大きな遺伝子の変異によって引き起こされる他の多くの疾患にも適用できる可能性がある。

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