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発生生物学:TERTのクローン性不活性化は幹細胞の競合を低下させる
Nature 632, 8023 doi: 10.1038/s41586-024-07700-w
テロメラーゼは、染色体の末端を保護する核タンパク質キャップであるテロメアを触媒的に伸長させるので、幹細胞やがんと密接に関連している。TERT(telomerase reverse transcriptase)の過剰発現は、テロメアに依存せずに細胞の増殖を促進するが、これまでの機能喪失研究では、TERTが幹細胞機能に直接役割を担っているという証拠は得られていない。多くの組織で、恒常性は幹細胞の競合(幹細胞が固有の適応度に基づいて競争する過程)によって形作られる。今回我々は、マウスの精原幹細胞(SSC)を含む集団でのTertの条件的欠失によって、競合的なクローン形成が著しく損なわれることを示す。Tert座位からの細胞系譜追跡を用いて、TERTを発現するSSCは長寿命クローンを生み出すが、TERTのクローン性不活性化は幹細胞の分化を促進し、またオープンクロマチンのゲノム規模での減少を促すことが分かった。この競合的なクローン形成でのTERTの役割は、その逆転写酵素活性およびカノニカルなテロメラーゼ複合体の両方と関係なく生じる。TERTの不活性化はMYCがん遺伝子の活性を低下させ、TERTが欠失したSSCプールでのMYCのトランスジェニック発現はクローン形成を効率よく救済した。これらのデータを統合すると、幹細胞の競合を促す際にはTERTが、その触媒活性とは無関係に必要であることが示され、TERTとMYCの間の遺伝的つながりが明らかになり、TERTが高レベルの幹細胞の選択的優位性が、恒常性および加齢の間の雄性生殖系列におけるテロメア伸長に関与することが示唆された。

