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神経科学:グルタミン酸は酸感受性イオンチャネルに作用して虚血性脳傷害を悪化させる
Nature 631, 8022 doi: 10.1038/s41586-024-07684-7
グルタミン酸は従来、脳卒中でNMDAR(N-メチル-D-アスパラギン酸受容体)依存性細胞死経路を活性化する一次情報伝達物質と見なされてきたが、NMDAR拮抗薬を用いた臨床治験は成功しておらず、他の機構の関与が考えられる。本論文で我々は、グルタミン酸と、NMDAR拮抗薬L-AP5(別名APV)などのグルタミン酸構造類似化合物が、脳卒中においてアシドーシス誘発神経毒性に関連する酸感受性イオンチャネル(ASIC)を介した電流を、ロバストに増強することを示す。in vitroとin vivoの両モデルで、グルタミン酸はASICのプロトンへの親和性と開口確率を上昇させ、虚血性神経毒性を増悪させた。部位特異的変異導入、構造基盤モデル化および機能解析から、ASIC1aの細胞外ドメインに真正なグルタミン酸が結合する空洞があることが明らかになった。計算による薬剤スクリーニングで明らかになった低分子LK-2は、この空洞に結合し、グルタミン酸依存性のASIC電流増強を抑制するが、NMDARには影響しなかった。LK-2は、虚血性脳卒中のマウスモデルで梗塞巣を縮小し、感覚運動機能の回復を改善した。これは、Asic1aノックアウトや他の陽イオンチャネルのノックアウトで見られた結果に類似している。我々は、グルタミン酸がASICに対して正のアロステリックモジュレーターとして機能して神経毒性を増悪させると結論付ける。そして、NMDAR上よりもASIC上のグルタミン酸結合部位を標的とする方が、NMDAR拮抗薬に見られるような精神性副作用のない脳卒中治療法を開発する戦略となり得ることが分かった。

