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神経変性:アルツハイマー病患者死後脳内のβアミロイドとタウのクライオ電子線トモグラフィー像
Nature 631, 8022 doi: 10.1038/s41586-024-07680-x
ほとんどの神経変性疾患の特徴となる病理学的性質は、タンパク質が集合してアミロイドとなり、これが疾患特異的な構造を形成することである。アルツハイマー病では、疾患特異的コンホメーションをとるβアミロイドとタウの沈着が特徴である。ヒト脳内のアミロイドのin situ構造は知られていない。本論文で我々は、クライオ蛍光顕微鏡用のクライオ切片法、クライオ集束イオンビーム(FIB)走査型電子顕微鏡によるリフトアウト法およびクライオ電子線トモグラフィー法を用いて、アルツハイマー病患者ドナーの死後脳でのβアミロイドとタウ病変のin-tissue構造を決定した。βアミロイド斑には、部分的に分岐した原繊維(fibril)と、平行配列および格子状構造をとるように配置されたプロトフィラメントの混合物が含まれていた。細胞外小胞と立方体粒子がβアミロイド斑の非アミロイド成分を特徴付けていた。対照的に、タウ封入体は分岐のないフィラメントからなる平行なクラスターを形成していた。単一トモグラム中の136のタウ繊維クラスターを平均化したサブトモグラムによって、組織内の対になったらせん状フィラメントのポリペプチド骨格コンホメーションとフィラメント極性の方向性が明らかになった。ほとんどのクラスターで、クラスター内のフィラメントは互いに類似していたが、クラスター間では違いが見られたことから、アミロイドの不均一性は細胞内の位置によって空間的に組織化されることが分かった。ヒトドナー組織を対象として今回概要を示したin situ構造の研究法は、広範な神経変性疾患に応用可能である。

