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保全生物学:劣化した熱帯林を保全対象に追加するための閾値
Nature 631, 8022 doi: 10.1038/s41586-024-07657-w
伐採や撹乱を受けた森林は、原始林と比べて劣化した貧弱な環境と見なされがちである。しかし、そうした森林は実に多くの多様な生物種にレフュジア(避難地)を提供する動的な生態系であり、その保全価値を過小評価してはならない。本論文で我々は、伐採林の保全価値を分類するための実証的に定められた閾値を報告する。これは、あらゆる熱帯林環境における生息地劣化へのタクソンの応答に関する、極めて網羅的なアセスメントの1つを用いて得られたものである。我々は、マレーシア・サバ州の、86目に属する1681のタクソンと、126の機能群について、伐採強度が個々の出現パターンに及ぼす影響を分析した。その結果、保全上の意味を持つ2つの閾値の存在が示された。まず、伐採が軽度な森林(生物量の除去率が29%未満)は、高い保全価値とほぼ完全な機能的構成を維持しており、そのため、自然な再生が許されれば伐採前の価値を取り戻す可能性が高い。次に、3分の2以上(68%超)の生物量が除去された、重度に劣化した森林は影響が極めて深刻であり、これらの森林で生物多様性の価値を取り戻すにはより高コストの方策が必要となる可能性が高い。総合すると今回のデータは、原始林がかけがえのない存在であることを裏付ける一方、伐採林にもかなりの保全価値が維持されており、それを見過ごしてはならないというメッセージを補強するものでもある。

