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構造生物学:シナプスV-ATPアーゼとシナプトフィジンからなる複合体の構造とトポグラフィー

Nature 631, 8022 doi: 10.1038/s41586-024-07610-x

シナプス小胞はタンパク質と脂質の組成が厳密に決まっている細胞小器官だが、シナプス小胞生成の分子機構はほとんど知られていない。今回我々は、マウス脳から単離した機能を持つシナプス小胞をin situクライオ電子線トモグラフィーと単粒子クライオ電子顕微鏡法で調べることにより、シナプス小胞のV-ATPアーゼとシナプトフィジン間の明確に定められている界面があることを明らかにした。シナプス小胞のV-ATPアーゼはATP依存性のプロトンポンプで、シナプス小胞内外にプロトン勾配を確立し、この勾配が神経伝達物質の取り込みを駆動する。シナプトフィジンとそのパラログであるシナプトポリンとシナプトギリンは、シナプス小胞に豊富に存在するタンパク質ファミリーに属するが、その機能はまだ分かっていない。我々は、シナプスフィジンをノックアウトしたマウスで構造研究と機能研究を行い、シナプトフィジンがV-ATPアーゼの結合相手であることを確かめた。V-ATPアーゼのコンホメーションは、シナプトフィジンとの相互作用の際にほとんど変化しないが、シナプス小胞にシナプトフィジンが存在すると、V-ATPアーゼのコピー数に大きく影響する。シナプス小胞のトポグラフィーへのこの影響から、シナプトフィジンがシナプス小胞の生成を助けていると示唆される。このモデルを裏付けるように、シナプトフィジンノックアウトマウスでは高い発作感受性が見られ、シナプトフィジンが存在しない場合は、生理的な結果として神経伝達物質放出の不均衡が生じると考えられる。

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