Article

生物地球化学:山地の高木の幹枝表面による全球の大気中メタン吸収

Nature 631, 8022 doi: 10.1038/s41586-024-07592-w

メタンは重要な温室効果ガスであるが、メタン収支における高木の役割はよく分かっていない。湿地の高木や山地の一部の高木は土壌由来のメタンを幹の基部から放出し得ることが示されているが、山地の高木は大気中のメタンに対する純吸収源として働く可能性があることも示唆されている。本論文で我々は、熱帯、温帯および北方の山地の森林の高木で、幹枝表面におけるin situメタン交換を調べた。その結果、幹枝表面におけるメタンの吸収は、特に林床から約2 m以上で、高木の純生態系寄与を支配し得る結果、高木の純メタン吸収源となっていることが分かった。幹枝表面のチャンバー空気中のメタンの炭素安定同位体の測定と、抽出された材の中心部のプロセスレベルの調査の結果は、メタン資化と矛盾しておらず、これは、高木の幹枝表面と組織中で微生物が媒介するメタン減少が起きていることを示唆している。地上型レーザースキャンで得られたアロメトリー式を適用して全球的な森林高木の幹枝表面積を定量化することによって、予備的な最初の見積もりから、高木が全球で24.6~49.9 Tgの大気中メタン吸収に寄与している可能性が示唆された。今回の発見は、熱帯と温帯の森林保護と森林再生によってもたらされる気候の利益が、これまで考えられていたよりも大きい可能性があることを示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度