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磁性:個々のフェリ磁性格子面の電子線ホログラフィー観察

Nature 631, 8021 doi: 10.1038/s41586-024-07673-w

特定の局所領域を原子スケールで観察できれば、新しい基礎材料やデバイスを探索する場合に大いに有益である。電子顕微鏡におけるハードウエア方式による収差補正の開発によって、原子分解能での局所構造観測のみならず化学分析や振動解析が可能になった。一方、磁気イメージングでは、原子レベルのスピン配置を、強磁場中に試料を置いて電子エネルギー損失分光法で分析しているが、これでは試料中の磁気秩序の性質が破壊されてしまう。無磁場環境における観察で単位胞の平均化を行えば、反強磁性体の内発的磁場を可視化できるが、不均一構造の個々の原子層の磁場を直接観測することは困難である。今回我々は、ハードウエア方式の収差補正器を用いた電子線ホログラフィーにポストデジタル収差補正を適用し、不均一構造を持つ物質内部の個々の格子面の磁場を無磁場条件下で観察できることを報告する。そして、フェリ磁性ダブルペロブスカイト酸化物(Ba2FeMoO6)において、Fe3+とMo5+の間の反平行スピン秩序化により形成された(111)格子面の正味の磁気モーメントの磁気位相を観察することに成功した。今回の結果は、多くの材料やデバイスにおいて、界面や粒界などの局所領域における磁気格子の直接観察への扉を開く。

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