Article

免疫学:形質細胞様樹状細胞が巨核球形成の恒常性を制御する

Nature 631, 8021 doi: 10.1038/s41586-024-07671-y

血小板の恒常性は、血管の完全性や免疫防御に必須である。巨核球の断片化による血小板の形成過程(血小板産生)については幅広く研究がなされてきたが、巨核球の前駆細胞から巨核球プールを絶えず補充する過程(巨核球形成)に必要な細胞レベルと分子レベルの機構はまだ解明されていない。今回我々は、生体内画像化を用いて、巨核球形成における細胞動態を数日間にわたって追跡した。その結果、形質細胞様樹状細胞(pDC)が、アポトーシスした巨核球がないか骨髄を監視する恒常性センサーであり、pDCは巨核球ニッチにIFNαを供給して、需要に応じた巨核球前駆細胞の局所的な増殖と成熟を誘導することが明らかになった。このpDCに依存したフィードバックループが、定常状態でもストレス下でも巨核球と血小板の恒常性に極めて重要である。pDCの最もよく知られている能力は、ウイルス感染を警戒する検出装置としての機能であるが、ウイルスによってpDCの活性化が誘発されると、巨核球形成の恒常性センサーとしての機能が妨げられることが分かった。そのため、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)によるpDCの活性化は、過剰な巨核球形成につながる。これらの知見を総合することにより、自然免疫感知と応需型の炎症性メディエーター放出が関与するpDC依存的な恒常性回路があって、巨核球系列の恒常性を維持していることが明らかになった。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度