免疫学:内因性Toll様受容体シグナル伝達経路の分子的定義
Nature 631, 8021 doi: 10.1038/s41586-024-07614-7
Toll様受容体(TLR)などの自然免疫パターン認識受容体は、感染に対する免疫応答の主要なメディエーターであり、健康と疾患についての我々の理解の中核をなす。微生物を検出した後、これらの受容体は、IκBキナーゼ、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ、ユビキチンリガーゼ、その他のアダプタータンパク質が関わる炎症性シグナル伝達経路を活性化する。しかし、TLR経路のタンパク質群を結び付けている機構については、まだあまり解明されていない。今回我々は、TLR経路の活性を明らかにするために、マクロファージを改変して、内因性ミッドソーム(myddosome)構成要素MyD88の顕微鏡観察とプロテオミクス解析を行えるようにした。その結果、ミッドソームは活性型TLRと一時的な接触を形成し、TLRと接触していないミッドソームは、24時間かけてサイズ、数、構成が動的に変化することが分かった。超分解能顕微鏡を用いた解析により、ほとんどのミッドソーム内でMyD88はバレル様構造を形成して、エフェクタータンパク質集合の足場として機能することが明らかになった。プロテオミクス解析からは、ミッドソームにはTLR経路の全段階で働き、全エフェクター応答を調節するタンパク質群が含まれることが実証され、遺伝子解析からは、これらのエフェクターモジュール間にエピスタシス関係があることが明らかになった。ミッドソームの組み立ては、リステリア菌(Listeria monocytogenes)に感染した細胞ではっきりと確認されたが、これらの細菌は細胞間を伝播する際にミッドソーム組み立てやTLRシグナル伝達を回避した。我々はこれらの知見に基づいて、TLRシグナル伝達経路全体がミッドソーム内から実行されると提唱する。

