Article

植物科学:効率的な植物ゲノム改変のための、トランスポザーゼに補助される標的部位への組込み

Nature 631, 8021 doi: 10.1038/s41586-024-07613-8

植物ゲノムの特定の位置に新しいDNAを組み込むための現在の技術は、頻度が低くてエラーが起こりやすく、この非効率性が、改良作物を開発するためのゲノム編集手法の障害となっている。ゲノムの「寄生体」と見なされることの多い転位性遺伝因子(TE)は、自身のDNAをゲノムにシームレスに挿入するよう進化した。真核生物のTEは、その挿入部位をクロマチン状態に対する選好性に基づいて選択し、こうした選択部位はTEタイプごとに異なる。今回我々は、TEに本来備わっている、ゲノムを正確に切断・挿入する能力を利用して、TEの挿入部位と積み荷の送達を制御するゲノム改変ツールを開発した。我々は、細菌においてプログラム可能な様式で標的への転位を行うCRISPR関連トランスポザーゼに着想を得て、イネのPongトランスポザーゼタンパク質をCas9あるいはCas12aのプログラム可能なヌクレアーゼに融合させた。そして、モデル植物であるシロイヌナズナ(Arabidopsis)のゲノムで、エンハンサーエレメント、オープンリーディングフレーム、遺伝子発現カセットの、(CRISPR gRNAに誘導された)塩基配列特異的な標的への挿入を実証した。次に我々は、標的化挿入技術が必要とされている世界的に主要な作物であるダイズに、このシステムを適用した。今回の成果によって、TE「寄生体」が、植物ゲノムへのカスタムDNAの塩基配列特異的な標的化組込みを可能にする、有用かつ容易に利用可能なツールキットが得られた。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度